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凌辱のストーリー~雌犬に堕ちていく「涼子様」
第26章 バックミラー
交差点の角にその人はいた。

坂道の途中で見付けた田代はアクセルを更に強く踏み込んだ。

秋風に長いスカートがたなびいている。

切れ長の瞳は今日も潤んでいるのだろうか。

車が近づくにつれ涼子の女神のような美しい顔から、こぼれた白い歯の輝きが鮮明になってくる。

胸を締め付けられる想いで田代は見つめているのだが、涼子の視線は空しく通り過ぎていくのだった。

黒塗りのドアが開けられると、女神の姿は翻ったスカートと共に消えていった。

扉の締まる音と共に、田代は慎重にクラッチを外して車を発進させる。

涼子の甘い香りが車中に広がると、田代は言い様の無い幸せを感じていた。

そして憧れの女神の姿をバックミラー越しに追うのだった。

流れ出す景色の中で涼子は、山岡のがっしりした体にぶつけるように抱きついていった。

そして、何時も通りに端整な唇を惜しげもなく男の分厚い唇に捧げている。

「んっ・・・・・んふ・・・・・。」

男の両腕が涼子の縊れた腰を抱く。

自分から舌を差し入れている涼子は激しく男を求めながら、しなやかな指をその広い背中で泳がせている。

「寂しかったのぉ・・・・。」

ようやく離した唇から透通った声を弾ませた涼子だったが、直に山岡の顔に飛込んでいく。

「んふぅっ・・・んふっ、ご主人様ぁ・・。」

バックミラーに二人の痴態が写っている。

獣の如く求めていく涼子の変わりようを、感慨深げに見つめる田代であった。

これが気品に満ちた「涼子様」なのか。

山岡に会う度に嫌悪感を浮かべたあのキツイ眼差しが、少女のように涙で潤んでいる。
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