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第29章 狂乱の後で

「あ、愛してます・・・ご主人様ぁ・・。愛してるのぉ・・・ああああ・・・好きぃ。」

そして、自分の汚れで濡れる男の唇を奪う。

激しく舌を絡めていくのだった。

「んふぅ・・・ご主人様ぁ・・あふぅっ。」

「おおお・・・俺もだぁ・・・涼子ぉ・・。」

「嬉しいのぉ・・もう離さないでぇ・・・。ずっとずっと・・支配してぇ・・・・。」

二人は、夢中になって互いを貪り合っていた。

絡み合った舌と曇った吐息の音が、リビングに広がっていく。

もはや理恵は、そのシーンに耐えられそうになかった。

熱いものが、身体の奥底から激しく噴き出してくる。

感動したのだ。

あれほどひどい仕打ちをされた涼子の心を、山岡は巧みに捕らえてしまった。
余りにも鮮やかだった。

自分も汚されたかった。
そして愛されたい。

心の底から欲望が涌き出てくる。

理恵は身体をくねらせ、何かを探すように田代に視線を向けた。

田代も興奮して上気した顔を理恵に向けると、二人の手は自然に伸びた。

そしてソファーに座る田代の元に、理恵は飛び込んでいくのだった。