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凌辱のストーリー~雌犬に堕ちていく「涼子様」
第12章 白い波(第三部)
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再び、現在に戻る。

しかし、今日の理恵は時折一人だけの世界に閉じこもり、涼子を置き去りにしてしまう。

「あの日」から二週間が過ぎようとしていた。

理恵も涼子も「市民の会」からは遠ざかっていた。

山岡の方から、あれからすぐ会に書状が届いていたのだ。

総入れ替えとはいかないまでも、山岡の息のかかった業者は指名を辞退し、残りのゼネコンで入札は行われた。

工事金額も妥当な線に落ち着き、着々と建設計画は進められていったのだ。

理恵と涼子の主導で調査されていた山岡の疑惑も必要性がなくなった事で、市民の会も一応の達成感を得ていたのだ。

それでもあの一見以来、涼子は自分達の無力さを実感していた。

あれほど燃え上がっていた正義感は薄れ、反対する事しかスローガンを持たない会に失望感も抱いていたのだ。

それは自分に対しても同じではあったが。

何もかも面倒に思うのだった。

何よりも、こうして理恵と二人きりで会う時間を多く作りたかった。

自分の欲望に素直になりたかったのだ。

理恵の大学の授業の合間に、度々二人はデートを重ねた。

それはたわいも無いショッピングやお喋りだけのものだったが、涼子は胸が弾む程幸せであった。

一人きりでいると、獣が襲ってくる。

それよりは、こうして理恵という白い波と心地よく戯れたかったのだ。

口付けの記憶が二人を結んでいた。

「あの日」以来、理恵のマンションには行っていない。

二人は、その記憶にわざと触れないようにしていた。

あれは二人だけの大切な思い出なのだから。

しかし、見詰め合う瞳はハッキリとした自覚を持って絡み合っていた。

愛しあう心の波が寄せ合っていた。
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