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第16章 真相（後編）

「おおお・・・愛ちゃん・・・いい・・・・。」

男の声が嬉しくて、顔を上げた。

もしかすると、と願った。

だが、それは徹ではなかった。

全く別人の、老人の姿だった。

やはり、呪いはまだ解けてはいない。

（でも・・・徹君に間違いない、筈・・・・。）

愛はくじけそうな心を鼓舞するように、コックを飲み込んでいく。

「んっ・・・んふっ・・・んっ・・んっ・・・。」

（徹君・・・・私の・・・・大好きな徹君・・・・。）

愛のいじらしい姿に、男が手を伸ばした。

再び耳元をくすぐる。

「んはぁっ・・・・あんっ・・・・。」

愛は、ここを触られると強く反応する。

だから、男がイヤホーンを外した事に気づかなかった。

そして、大きなゴーグルも。