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VRの罠(汚された愛と勇気の戦士達)
第16章 真相(後編)
「んふっ・・・んぐぐっ・・・・んんんっ・・・・。」

愛の素顔が、晒される。

美しい。

男は心の底からそう思った。

天井から下がっているモニターには、もう愛の姿は映っていない。

通信装置であるゴーグルが外されたからだった。

ベッドの脇には、脱がした愛の衣服等が散らばっている。

愛はヴァーチャルゲームにログインした瞬間、催眠コントロールされていたのだ。

白いパーティションで囲まれたベッドルームは、最後に見た部屋と同じ印象で愛には見えていた。

それでも、振り向くとドアもあるし、天井にはモニターもある。

男はその画面を見ながら、愛を巧みに操っていたのだ。

男の名は野島勇。

51歳のソフトエンジニアである。

エロサイトの世界では知る人ぞ知る第一人者で、男の作るソフトはよく売れていた。

野島は一生遊べる程の金を稼いでいた。

その金と生来の凝り性から生み出されたソフトが、この究極のバーチャルリアル・マシーン「ビューティー・エンジェル」なのである。

生まれついてのオタクな性格と、冴えない容姿は野島を暗い中年男にしていた。

貧乏な若い頃は女からは相手にされず、裕福になってからもクロウトの商売女位しか経験がなかった。

金さえだせば若くていい女は手にいれる事が出来たし、事実そうもしてきた。

だが、本物の恋は到底手に入れる事はかなわないのであった。

こんな五十過ぎの中年男等、金目当ての女位しか寄ってはこないだろう。

何より青春時代、指を咥えて眺めていた恋人同士の営みを野島は夢みていた。

15歳位の美少女と、それもヴァージンなら尚更いい。

甘いキスをしてセックスできたら、という妄想はトコトンまで膨らんでいった。
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