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VRの罠(汚された愛と勇気の戦士達)
第4章 罠
「せん・・・せい・・・・。」

二人の顔が間近になる。

「あっ・・・・あ・・・・・。」

愛は声にならないものを漏らしながら、見つめていた。

全裸になった教師に、恋人が導かれようとしている。

スローモーションのような動きなのに、止める事も出来ない。

「キス・・・・して・・・・。」

「ええっ・・・・?」

麗子の言葉に愛は自分の耳を疑った。

先生は何を言うのだろう。

今まで淫魔に捕らわれていたのを、救い出されたばかりだというのに。

徹を誘惑しているではないか。

「は・・い・・・・先生・・・・。」

徹は虚ろな瞳で顔を近づけていく。

「そ、そんなっ・・・・徹君・・・・。」

愛は眉を寄せて泣きそうな声を出した。

事実、大粒の涙が頬に流れ出している。

「そう・・・・ステキ・・・・好きよ、徹君・・・・。」

両手を伸ばした麗子に吸い込まれるように更に近づき、女の腰を抱きしめた。

「せん・・・せい・・・・。」

二人は顔を寄せ合うと唇を重ねた。

「ああっ・・・・。」

同時に愛が小さく悲鳴をあげた。

「ああ・・・んふぅ・・・徹君・・・・。」

「うぐぅ・・・・先生・・・あはぁ・・・・。」

舌が絡み合っている。

二人はまるで恋人同士の如く、互いの唇を貪り始めた。

「そ、そん・・・・な・・ひどい・・・・・。」

愛は信じられない思いで二人を見つめていた。

恋人が、憧れの救世主アポロン様が、目の前で自分以外の女とキスをしている。

しかも尊敬する麗子先生とだ。

何とか救おうと懸命に戦ってきたのに。

裏切られた衝撃が痛みを伴って身体中を走る。

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