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第4章 罠

「ああ・・・・・・。」

微かに漏れたため息を絡め取るように、男の唇が重なろうとしている。

（ま・・・た・・・・。）

キーンという音が、耳の奥から聞こえる。

それは愛の心を操るように、抵抗する気持ちを奪っていく。

「愛・・・・・。」

ヤニ臭い息が囁きながら唇に触れる。

（まち・・・だ・・・・・せん・・・せい・・・・。）

愛の瞳が痺れるように長い睫毛に覆われた時、男の名前を意識していた。