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あなたが消えない
第16章 夢か幻か、現実か
瞳をゆっくりと開けると、どうやら私は夢を見ていたみたい。

夢の中の翔。

とても優しかった。

私は翔の夢を見れた事が、嬉しくて。

今日はずっと笑顔で頑張れそうだと思えた。

夕方になったら、きっと翔も帰って来るはずだから、偶然を装って会いに行こう。

アルバイトは、新たな作業を教えてもらいながら、どんどんオバサンや独身の女の子に仕事を口頭で任せられる。

「私ね、恋愛小説を携帯投稿してるだぁ」

女の子は、私に言った。

「永遠の愛をテーマにした恋愛小説ってのを今度は書き上げてみたくて。普通の純愛よりも更に意味のある自由なんだけども深い愛の物語」

「永遠の愛?」

私は一瞬、翔との出逢いを思い出した。

「誰にも理解できないくらいの深い恋愛。距離も時間も、今置かれている立場すらも関係ないくらい、お互いがお互いを求めて止まない離れられない恋愛」

私は、その言葉に胸をドキドキさせていた。

「それが永遠なの?」

「私はそう思うんだけど、どうかな」

「…たぶん、そうだと思う」

「経験あり?」

恥ずかしくなって、それでも素直に小さく頷いた。

「指し使いなければ、話を聞きたい。絶対秘密にするから」

私は、周りを見渡して、

「誰にも言った事ないから、絶対秘密にしてね」

私はまた頷いた。
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