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あなたが消えない
第6章 トラブル
真っ白になったのは、頭の中だけじゃない。

目の前の視界も同じに、真っ白になった。

白い壁に私は手を付いて…!

「なっ、何?」

耳元で囁かれる。

「僕、凄い欲深いんですよ。尚且つ、嫌がらせされると、何倍にしてお返ししたくなるんです…」

永津さんは、私の胸を後ろから強く鷲掴む。

「いや、やめて…」

嘘でしょ、私もしかして襲われてる?

抵抗は、もちろんできない。

身体で、押さえつけられているから。

「永津さん、どうかしてますよ…やめて」

私は、またうなじにキスをされた。

チュッ…チュッ…チュッ…

音をたてて、また生暖かい感触に、思わず声が出てしまった。

「…あっ…」

やだ、私。

「嫌じゃないくせに?」

嫌じゃないの、私?

「僕、あなたの弱い所また見つけちゃいました。 あなた、優しくされると素直に言うこと聞いちゃうんですよね?情に弱い…」

永津さんは露骨に服の中に手を入れて、私の胸を撫で回す。

「それから、身を預けてしまうくらいに恩を返してしまう。そうでしょ?」

ペチャ…ペチャ…

そして耳を舐められる。

「あなたの身体、凄く今敏感になってる。何故かって、こないだ僕がキスしたから。違いますか?」

いや、きっと、その前から…。

「それとも、初めて出会った時からだったりして?」

「そんな事ありません…」
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