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モーニングコーヒー
第10章 レベル10〜2ボスの攻略
呼び鈴を鳴らして、重たいドアが開く。
中に地味な着物姿の母親が立っている。
「駿さん、おかえりなさい。
さ、皆さん、どうぞ」と言って、
チラリとりんさんに冷たい視線を送ると、
さっさと奥に行ってしまう。
「お邪魔します」と言って、
俺がスリッパを出して履くと、
3人、母親の後に続く。
応接室に入り、
勧められた席に座って待っていると、
オヤジが仏頂面で入ってきた。
りんさんは立ち上がって、
静かに頭を下げるので、
俺と秀人も立ち上がった。
「こちら、りんさん。
先週、入籍した。
こちらは、りんさんの息子の秀人」
りんさんは落ち着いた声で、
「初めまして。
旧姓、佐藤 鈴と申します。
ご挨拶が遅れましたが、
先週の水曜日に駿介さんと入籍させていただきました。
再婚になります。
息子の秀人も、養子縁組させていただきました」と挨拶をした。
「まあ、お座りなさい」とオヤジが言って、
「ありがとうございます」と言って、
美しい所作で座って着物を整える。
俺も秀人も、
それに続くように座った。
「駿介と同じ制服だな。
何年生かな?」と、
オヤジは秀人に訊く。
「4月に3年になります」
「ん?
高校か。
済まない。
中学生かと思ったよ」とオヤジは言う。
「背が低いからですか?
明日から駿さんと剣道に行くから、
もう少し伸びますよ」と、秀人が言うのを聞いて、
オヤジは珍しく小さく笑った。
「剣道は良いよ。
集中出来るし、体幹が鍛えられる」
「ママ…母もやってたんだって」
りんさんは恥ずかしそうに説明する。
「知りませんでしたが、駿さんと同門でした」
「では、私とも同門だな?」とオヤジは声を上げて笑った。
「えっ?」
「実は大先生から聞いたんだよ。
お前たちのこと」
「!」
俺とりんさんは、顔を見合わせる。
「あの厳しい大先生が、
素晴らしい女性だと大絶賛だったよ。
若かったら自分が結婚したいとさえ言ってたよ」と笑う。
「お父様のことも、存じ上げている。
国際的な学会でご一緒したこともあるからね。
覚えていないかもしれないけど、
駿介が産まれる前かな?
小さい鈴さんと会ったこともあるよ」と懐かしそうな顔をした。
オヤジのそんな顔を見るのは初めてで、
正直驚いてしまった。
中に地味な着物姿の母親が立っている。
「駿さん、おかえりなさい。
さ、皆さん、どうぞ」と言って、
チラリとりんさんに冷たい視線を送ると、
さっさと奥に行ってしまう。
「お邪魔します」と言って、
俺がスリッパを出して履くと、
3人、母親の後に続く。
応接室に入り、
勧められた席に座って待っていると、
オヤジが仏頂面で入ってきた。
りんさんは立ち上がって、
静かに頭を下げるので、
俺と秀人も立ち上がった。
「こちら、りんさん。
先週、入籍した。
こちらは、りんさんの息子の秀人」
りんさんは落ち着いた声で、
「初めまして。
旧姓、佐藤 鈴と申します。
ご挨拶が遅れましたが、
先週の水曜日に駿介さんと入籍させていただきました。
再婚になります。
息子の秀人も、養子縁組させていただきました」と挨拶をした。
「まあ、お座りなさい」とオヤジが言って、
「ありがとうございます」と言って、
美しい所作で座って着物を整える。
俺も秀人も、
それに続くように座った。
「駿介と同じ制服だな。
何年生かな?」と、
オヤジは秀人に訊く。
「4月に3年になります」
「ん?
高校か。
済まない。
中学生かと思ったよ」とオヤジは言う。
「背が低いからですか?
明日から駿さんと剣道に行くから、
もう少し伸びますよ」と、秀人が言うのを聞いて、
オヤジは珍しく小さく笑った。
「剣道は良いよ。
集中出来るし、体幹が鍛えられる」
「ママ…母もやってたんだって」
りんさんは恥ずかしそうに説明する。
「知りませんでしたが、駿さんと同門でした」
「では、私とも同門だな?」とオヤジは声を上げて笑った。
「えっ?」
「実は大先生から聞いたんだよ。
お前たちのこと」
「!」
俺とりんさんは、顔を見合わせる。
「あの厳しい大先生が、
素晴らしい女性だと大絶賛だったよ。
若かったら自分が結婚したいとさえ言ってたよ」と笑う。
「お父様のことも、存じ上げている。
国際的な学会でご一緒したこともあるからね。
覚えていないかもしれないけど、
駿介が産まれる前かな?
小さい鈴さんと会ったこともあるよ」と懐かしそうな顔をした。
オヤジのそんな顔を見るのは初めてで、
正直驚いてしまった。