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モーニングコーヒー
第10章 レベル10〜2ボスの攻略
オヤジはポツリと、
「見苦しい処を見せてしまったな。
済まない」と言う。
オヤジが謝るのを見たのは、
初めてかもしれなかった。
「私が忙し過ぎて、
家のことも駿介のことも、
みんな、あれに任せっ放しだった。
医学部を勝手に辞めた時も、
お前が早々に家を出たから、
あれに辛く当たってしまったよ。
お前、何で医学部辞めたんだ?
成績も良くて、
先生方も頭を捻ってたよ」
えっ?
それ、今?
と思いながら初めてその話をした。
「オヤジ、怖くないの?
手術してさ、
患者さんを殺しちゃうかもって。
自分の指先ひとつで、
誰かを殺すんだよ?
俺、それに耐えられそうもなくて」
「そうか。
私は逆に、
指先ひとつで救ってあげたいって思ってやってるけどな」
「オヤジは、心が、タフなんだな。
俺、弱くて無理だった。
ごめん」
「それなら、
臨床とか、
内科とか、
産まれることに携われる産科とかもあるだろうに」
「だって、研修医になると、
一通り、回らされるだろう?
救急とか、絶対無理って思ったもん」
「なんだ。
そうだったのか」と笑う。
「私も…血を見て卒倒するから、
お前は絶対に医者は無理だなって、
父に言われました」とりんさんが笑う。
「秀人くんは、やりたいことがあるって言ってたけど、
何がやりたいんだ?」
「音楽です」
「えっ?」
「誰かを幸せな気持ちにしたり、
癒したりできるから。
医者と本質、同じかなって思うけど。
父親に医者になれって言われ続けて、
うんざりしてたし…」と、秀人は笑った。
「レールを引かれるのは、
うんざりするのかもな。
音楽か。
それも良いかもしれないな?
今度、聴かせてくれるかな?
手術室で、流せるように、
録音してもらおうかな?
その、誰かを癒せるような演奏」
「ママの歌も、
最高に癒されるよ。
眠たくなるもんね?」と秀人が言う。
確かにそう思って、
笑ってしまった。
「あの…。
お母様のご様子、見てきますね?」と、りんさんが言う。
「茶室じゃないかな?
駿介、お連れして?
秀人くん、こっちにピアノあるから、聴かせて?
私も少し、ピアノは嗜むんだよ?」と、
オヤジはリビングに秀人を連れて行った。
「見苦しい処を見せてしまったな。
済まない」と言う。
オヤジが謝るのを見たのは、
初めてかもしれなかった。
「私が忙し過ぎて、
家のことも駿介のことも、
みんな、あれに任せっ放しだった。
医学部を勝手に辞めた時も、
お前が早々に家を出たから、
あれに辛く当たってしまったよ。
お前、何で医学部辞めたんだ?
成績も良くて、
先生方も頭を捻ってたよ」
えっ?
それ、今?
と思いながら初めてその話をした。
「オヤジ、怖くないの?
手術してさ、
患者さんを殺しちゃうかもって。
自分の指先ひとつで、
誰かを殺すんだよ?
俺、それに耐えられそうもなくて」
「そうか。
私は逆に、
指先ひとつで救ってあげたいって思ってやってるけどな」
「オヤジは、心が、タフなんだな。
俺、弱くて無理だった。
ごめん」
「それなら、
臨床とか、
内科とか、
産まれることに携われる産科とかもあるだろうに」
「だって、研修医になると、
一通り、回らされるだろう?
救急とか、絶対無理って思ったもん」
「なんだ。
そうだったのか」と笑う。
「私も…血を見て卒倒するから、
お前は絶対に医者は無理だなって、
父に言われました」とりんさんが笑う。
「秀人くんは、やりたいことがあるって言ってたけど、
何がやりたいんだ?」
「音楽です」
「えっ?」
「誰かを幸せな気持ちにしたり、
癒したりできるから。
医者と本質、同じかなって思うけど。
父親に医者になれって言われ続けて、
うんざりしてたし…」と、秀人は笑った。
「レールを引かれるのは、
うんざりするのかもな。
音楽か。
それも良いかもしれないな?
今度、聴かせてくれるかな?
手術室で、流せるように、
録音してもらおうかな?
その、誰かを癒せるような演奏」
「ママの歌も、
最高に癒されるよ。
眠たくなるもんね?」と秀人が言う。
確かにそう思って、
笑ってしまった。
「あの…。
お母様のご様子、見てきますね?」と、りんさんが言う。
「茶室じゃないかな?
駿介、お連れして?
秀人くん、こっちにピアノあるから、聴かせて?
私も少し、ピアノは嗜むんだよ?」と、
オヤジはリビングに秀人を連れて行った。