この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
モーニングコーヒー
第10章 レベル10〜2ボスの攻略
ひんやりした渡り廊下を進む。
中庭は相変わらず良く手入れをされていて、
早咲きの桜が咲いていた。
「母さん、入るよ」と、立ったまま障子を開けると、
「お行儀が悪いわね?」と不機嫌そうな声で言う。
「鈴さん、お茶はされるの?」
「お裏ですけど、先生がお身体を壊してしまったので、
最近はお稽古に行けてなくて…」
「先生はどなた?」
りんさんが名前を言うと、
「あら!奇遇ね!
わたくしと同門だわ。
一服、点ててくださる?
わたくし、半東さんをするから。
駿さん、お客様になって?
ほら、そこ。
床の間の前に座って」と言う。
りんさんは、
「せっかくだから、お父様もお誘いしますか?
秀人も、お茶席、入ったことないので…」と言うと、
「じゃあ、駿さん、呼んできて?」と母親は俺に言った。
水屋でりんさんは支度を始めているようだった。
床の間の花や掛け軸のことを、
母に訊いているのが聞こえた。
「御作法は良いから、取り敢えず3人はそこに座って?
床の間の前がお父さんね?」と言われて、
オヤジ、俺、秀人の順番で座る。
りんさんがお菓子を出してくれる。
食べ易いようにと、1人ずつ、懐紙に載せて黒文字を添えて置いて行ってくれる。
「こちらは、手土産に持ってきてくださったお菓子よ。
わざわざ、並んでくれたのね?
ありがとう」と母は言う。
「ほら、駿さん、
一口ずつ、黒文字で切ってから食べて?
秀人くんの方がちゃんとしてるわ」と笑う。
「あら?
炭を継いでくださる?
火力が弱くなってるわ?」と急に母が言うと、
りんさんは頷いて一度下がると、
大振りの茶色いカゴみたいなものを持ち出して、
金属の輪っかを釜に掛けると釜を大きな和紙みたいな物の上に移動させると、
不思議な動きでコロンとした炭や長い炭をセットして行った。
なんかの模様のようだった。
釜を掛け直して暫くすると、
しゅんしゅんと湯が沸いてくる音がしてきた。
「なんか、落ち着く音だね?」と秀人が言うと、
母は目を細めて笑う。
「良い頃合いかしら。
では、お薄を点ててくださいな」と言うと、
流れるような動きでりんさんはお茶を点ててくれた。
中庭は相変わらず良く手入れをされていて、
早咲きの桜が咲いていた。
「母さん、入るよ」と、立ったまま障子を開けると、
「お行儀が悪いわね?」と不機嫌そうな声で言う。
「鈴さん、お茶はされるの?」
「お裏ですけど、先生がお身体を壊してしまったので、
最近はお稽古に行けてなくて…」
「先生はどなた?」
りんさんが名前を言うと、
「あら!奇遇ね!
わたくしと同門だわ。
一服、点ててくださる?
わたくし、半東さんをするから。
駿さん、お客様になって?
ほら、そこ。
床の間の前に座って」と言う。
りんさんは、
「せっかくだから、お父様もお誘いしますか?
秀人も、お茶席、入ったことないので…」と言うと、
「じゃあ、駿さん、呼んできて?」と母親は俺に言った。
水屋でりんさんは支度を始めているようだった。
床の間の花や掛け軸のことを、
母に訊いているのが聞こえた。
「御作法は良いから、取り敢えず3人はそこに座って?
床の間の前がお父さんね?」と言われて、
オヤジ、俺、秀人の順番で座る。
りんさんがお菓子を出してくれる。
食べ易いようにと、1人ずつ、懐紙に載せて黒文字を添えて置いて行ってくれる。
「こちらは、手土産に持ってきてくださったお菓子よ。
わざわざ、並んでくれたのね?
ありがとう」と母は言う。
「ほら、駿さん、
一口ずつ、黒文字で切ってから食べて?
秀人くんの方がちゃんとしてるわ」と笑う。
「あら?
炭を継いでくださる?
火力が弱くなってるわ?」と急に母が言うと、
りんさんは頷いて一度下がると、
大振りの茶色いカゴみたいなものを持ち出して、
金属の輪っかを釜に掛けると釜を大きな和紙みたいな物の上に移動させると、
不思議な動きでコロンとした炭や長い炭をセットして行った。
なんかの模様のようだった。
釜を掛け直して暫くすると、
しゅんしゅんと湯が沸いてくる音がしてきた。
「なんか、落ち着く音だね?」と秀人が言うと、
母は目を細めて笑う。
「良い頃合いかしら。
では、お薄を点ててくださいな」と言うと、
流れるような動きでりんさんはお茶を点ててくれた。