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モーニングコーヒー
第2章 レベル2〜まさかの朝帰り
りんさんは少し紅い顔をして言った。


「本当に覚えてないの?」


俺は正直に、
「残念ながら覚えてなくて…」と言った。


「えっと、昨夜は私もちょっと飲んでしまって、
ご機嫌になっちゃって。
でも、それ以上に駿さんもご機嫌で、
腕を組んでお店を出て、
ケラケラ笑いながらスキップして歩いたの」


「スキップ?」


「そしたらね、
あの…ビール呑み過ぎてお手洗いに行きたいって駿さんが言ってね。
私の家が近かったから、
急いでここに来たの」


「うん」


「その後、全然お手洗いから出て来なくて…。
何度かノックしても出て来なくて、
思い切ってドアを開けたら、
その…座ったまま、眠っていたの」


「えっ?」


「それで、ジーンズも半分脱げてて、
履かせることの方が難しくて、
脱がせたの。
そして、なんとか引っ張ってベッドまで運んだらね…
暑いって言って、Tシャツ脱いじゃって…。
取り敢えず掛け布団掛けてそのまま寝かせたの」


「りんさんは?
何処で寝たの?」


「そこのソファで。
あれ、ベッドにもなるから」




穴があったら入りたいとはこのことだ。



「えっと…。
俺、ただ酔っ払って、寝ただけ?」


りんさんは、コクリと頷く。



「こんなに可愛い子と一晩過ごしたのに、
キスもしなかった?」


「勿論です。
だって…私達、付き合ってる訳ではないでしょ?」


「いや、そうだけど、
朝まで一緒に居たのに?」


りんさんは、困った顔で笑っている。



俺は頭を抱えながら、
悔やんだ。


「あの…。
駿さん?」と声を掛けられて、
ハッとする。


「今日は土曜日だから、
私は休みですけど、
駿さんはお仕事、大丈夫?
ご家族とかに連絡は?」


仕事は…編集作業と夜の配信はある。
でも、それより、
この状況の方が大事だった。



「もう一度、
やり直したい」


「えっ?」
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