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モーニングコーヒー
第14章 レベル14〜忘れていた訳じゃない
階段が負担になるだろうと、
1階の茶室と和室の続きの間を寝室兼居室にした。

レトロに布団を敷いてるのもなんとなく雰囲気が変わって楽しい。
俺が上げ下ろしをして、
昼間はリビングのカウチでりんさんは休んで、
瑛人は籐で編まれた揺り籠みたいなヤツで眠っていた。

俺が使ったものだと、
両親が運んで来てくれた。


布団を上げた後の和室を、
りんさんが掃除機を掛けようとするのを止めて俺がやると、

「やだ。
駿さんてば、過保護過ぎる」とりんさんが笑う。


内側の障子を開けて、
縁側越しに庭の花を見たりしてのんびりする時間も楽しかったりする。


りんさんのキズのガーゼの交換は、
オヤジがやってくれてた。

「上手いドクターだったな。
縫合も綺麗だよ」と言うけど、
正直、俺、チキンで見ることも出来なかったら、

「本当にお前は、医者向きじゃなかったな」とオヤジに笑われた。


いいよ。
いくらでも笑ってくれ。

そう思った。


オムツ交換はかなり俺、
上手くなった。
レトロな布オムツも、珍しいんだろうなと思った。

これ、りんさん、縫ってたんだなと思って、
ほんわか、幸せな気持ちになる。

洗濯、干すのも楽しかった。
これは、縁側が大活躍だった。


沐浴も、俺が先に身体を洗って湯船に入ってるところに、
瑛人をそっと渡して貰う作戦にした。

俺は抱っこしてるだけで、
りんさんが柔らかいガーゼでそっと身体を拭っていく。

そして、慎重に柔らかいガーゼのバスタオルに包んで寝室代わりの和室に連れて行ってくれるスタイル。

りんさんは最初の頃は湯船に浸かれないし、
その後もシャワーだけのことが多かった。

何しろ、腹を切ってるから。



そして、りんさんと瑛人の検診も無事に終わった。


秀人と入学式は、
瑛人を2人の祖母に見て貰って、
2人で出席した。


着物姿のりんさんが眩しくて、
俺、紅くなってしまった。


秀人は剣道の効果なのか、
真新しいスーツを買う時、
「170センチ超えたよ」と物凄く喜んでいた。


そろそろゴールデンウィークになるという頃、
連休の予定なんかを両方の両親を交えて雑談している時に、
俺は重大なことをやってなかったことに突然気づいて、
その場で軽くパニックになってしまった。
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