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モーニングコーヒー
第3章 レベル3〜スゴイ勘違い
「私もね、秀人にとって何がベストなのか判らなくて…。
そんなに相談とかもしてくれないし。
子育てって難しいわね」

「俺なんて、嫁さんも子供も居ないから、
無責任かもしれないけど、
やりたいコトをやる。
そして、その責任は自分で取る。
それで良いんじゃないかな?
大きくして貰うまでが親の仕事で、
その後は、みんな自分の責任でしょ?」


りんさんはしんみりした顔で考え込んでしまった。

俺、余計な事を言ったんだろうか?
生意気過ぎるぞ、俺。


「あ…すみません。
俺、そんなこと言ってても、
カフェのバイトしてるだけのつまらないオトコだし、
彼女も居ないし、
りんさんにも振られたのに、
未練タラタラで…」


「えっ?
振ってないですよ?」


「えっ?」


「これから始まるかどうかってトコじゃないですか?」
と柔らかい笑顔を見せてくれる。


「そうか。
じゃあ、りんさんはどんなオトコが好きなんですか?」


「んー。
そうね。
私を死ぬ程、好きになってくれて、
大切にしてくれるヒトかな?」


「えっ?
それだけ?」


「それだけって…。
それ、大変じゃない?
私も好きになって貰えるように、
努力しないといけないし。
駿さんは?」


「ありのままの俺を受け入れてくれるヒトかな?
後は…りんさんみたいなヒト…」と、
小さい声で言ってみた。


「私みたいな?」


「ニコニコして穏やかで。
でも、言うことはハッキリ言ってくれそうで。
ご飯がメッチャ美味しくて。
俺の良いとこ、見つけて誉めてくれて。
顔も可愛いし、
背も小さくて可愛いし、
えっと…胸が大きいし…」


「なんか、理想のお母さんみたいな言い方ね?」


「いや、お母さんとかじゃなくて、
女子として可愛いってことで、
えとえと…」


声を上げて笑うのも可愛くて、
俺は思わず、
また、手を握ってしまう。


「手とか繋いで歩いたりしたいし、
弁当持って海とか山とか行きたいし、
夜とかはイチャイチャして、
一緒に寝たいし、
風呂とかだったら、
背中とか一心不乱に洗ってあげたい」


「背中?」


「あ、俺も背中は洗って欲しい。
上手く届かないじゃん。
凝ってるしさ」


「イチャイチャね…」


りんさんは黙ってしまった。
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