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近くて遠い
第12章 善人か悪人か
「っ……笑えと言っているのに何故泣くっ…」
あなたのせいでしょ……
あなたの気持ちが分からない…
私はただの、"もの"なの……?
「冷酷なあなたに…笑顔は向けられない…」
身体を駆け巡るアルコールが、涙と言葉を誘う。
「っ……なんだとっ!?」
怒り狂った目に、依然として優しさの光は灯らない。
「三千万で…
身体は買えても…心は買えない……
横暴で人の事を考えないあなたに…誰も笑顔は向けないわっ…」
ズキズキと胸が痛む。
止まらない涙が自分の耳まで伝った。
「黙れっ…!
生意気な事をっ…
口答えする権利はお前にはない!
母親の治療今すぐにでもやめさせるぞ!」
「っ……」
卑怯な切り札に
心の中で何かが壊れていく…
「有川様……」
通わない心…
こんなにも苦しいのは、
何故…?
見上げた有川様の顔はひどく歪んでいた。
「っ……お前は…お前は俺のものだ…っ…」
「いたいっ…」
有川様はそう叫ぶと、裸の私を突き放して部屋から出ていった。
あなたのせいでしょ……
あなたの気持ちが分からない…
私はただの、"もの"なの……?
「冷酷なあなたに…笑顔は向けられない…」
身体を駆け巡るアルコールが、涙と言葉を誘う。
「っ……なんだとっ!?」
怒り狂った目に、依然として優しさの光は灯らない。
「三千万で…
身体は買えても…心は買えない……
横暴で人の事を考えないあなたに…誰も笑顔は向けないわっ…」
ズキズキと胸が痛む。
止まらない涙が自分の耳まで伝った。
「黙れっ…!
生意気な事をっ…
口答えする権利はお前にはない!
母親の治療今すぐにでもやめさせるぞ!」
「っ……」
卑怯な切り札に
心の中で何かが壊れていく…
「有川様……」
通わない心…
こんなにも苦しいのは、
何故…?
見上げた有川様の顔はひどく歪んでいた。
「っ……お前は…お前は俺のものだ…っ…」
「いたいっ…」
有川様はそう叫ぶと、裸の私を突き放して部屋から出ていった。