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近くて遠い
第12章 善人か悪人か
「そんなことない…
ほら同い年なんだから、そんな風に敬語使わないで」
心なしか嬉しそうな愛花ちゃんの言葉につられて私も微笑んだ。
17歳で、メイドとして働いているなんて…
きっと何か事情があるのだろうが聞いてはいけないようが気がして私は黙って窓の外を眺めた。
少し遠くに別の立派な建物があり、ちらほらと人が入っているのが見えた。
「愛花ちゃん、あの建物はなに?」
「どれですか?」
私の問い掛けに愛花ちゃんは首を傾げて窓の外を見た。
「あぁ!あの建物ですね!会社ですよ!」
「会社…?」
「えぇ、有川商事の本社です。
今日は平日ですからね…」
あ、有川商事って…
会社を家の敷地に入れてしまうだなんて…
あまりの大きさに絶句する。
知れば知るほど、有川様が私とは違う世界に住んでいることを思い知る。
「朝食とられますか?
もう10時ですので、11時頃ブランチということにしてしまいますか?」
「えっ…」
もう10時っ…?
私そんなに寝ていたの?
「隼人は…」
「隼人様は学校へ…」
「学校…」
「ええ。朝から車に乗れて喜んでおりました」
愛花ちゃんははにかんでそう言った。
「そう……」
起きたとき、1人にさせてしまったのかと思うと心苦しかったが、それを聞いて少し安心した。
それにしても…
少し距離が離れたからといって送迎までしてもらう、待遇の良さに感謝しつつも私は戸惑った。
「ご飯はいいです。お昼に一緒に食べちゃうから」
そういうと、愛花ちゃんはかしこまりましたと笑顔で言った。
ふと、
お母さんが心配になり、私は愛花ちゃんに挨拶をすると、お母さんの部屋へと向かった。
ほら同い年なんだから、そんな風に敬語使わないで」
心なしか嬉しそうな愛花ちゃんの言葉につられて私も微笑んだ。
17歳で、メイドとして働いているなんて…
きっと何か事情があるのだろうが聞いてはいけないようが気がして私は黙って窓の外を眺めた。
少し遠くに別の立派な建物があり、ちらほらと人が入っているのが見えた。
「愛花ちゃん、あの建物はなに?」
「どれですか?」
私の問い掛けに愛花ちゃんは首を傾げて窓の外を見た。
「あぁ!あの建物ですね!会社ですよ!」
「会社…?」
「えぇ、有川商事の本社です。
今日は平日ですからね…」
あ、有川商事って…
会社を家の敷地に入れてしまうだなんて…
あまりの大きさに絶句する。
知れば知るほど、有川様が私とは違う世界に住んでいることを思い知る。
「朝食とられますか?
もう10時ですので、11時頃ブランチということにしてしまいますか?」
「えっ…」
もう10時っ…?
私そんなに寝ていたの?
「隼人は…」
「隼人様は学校へ…」
「学校…」
「ええ。朝から車に乗れて喜んでおりました」
愛花ちゃんははにかんでそう言った。
「そう……」
起きたとき、1人にさせてしまったのかと思うと心苦しかったが、それを聞いて少し安心した。
それにしても…
少し距離が離れたからといって送迎までしてもらう、待遇の良さに感謝しつつも私は戸惑った。
「ご飯はいいです。お昼に一緒に食べちゃうから」
そういうと、愛花ちゃんはかしこまりましたと笑顔で言った。
ふと、
お母さんが心配になり、私は愛花ちゃんに挨拶をすると、お母さんの部屋へと向かった。