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近くて遠い
第12章 善人か悪人か
──────…
扉を開けると、静かに眠るお母さんがいる。
寝てる…か…
家にいたときよりはるかに楽そうなお母さんの顔に安心しながら、ベッドの脇に腰を下ろした。
少しだけずれた布団を直すと、お母さんが目をゆっくりと開けた。
「真希…」
「あっごめん…起こしちゃって…」
「ううん。大丈夫よ」
いつもと変わらない笑顔。
大好きなお母さんに私も微笑み返した。
「具合は?」
「うん…すっごくいいよ」
ゆっくりと身体を起こすのを支える。
「そう、良かった!」
私の言葉を聞いてお母さんがハッと思い出したような顔をした。
「どうかした…?」
不思議に思って首を傾げるとお母さんの目が少しだけ輝く。
「真希、有川さんって本当に素敵な人ね!」
「えっ…?」
一瞬耳を疑って聞き返すとお母さんは私の腕を軽く叩いた。
「あんまり素敵でお母さん、好きになっちゃいそうだったわ…」
「有川さ…んが来たの?」
クスクスと笑うお母さんに少しベッドに身を乗り出して聞き返した。
「ええ…あれ?聞いてないの?
昨日真希が部屋を出たあと…夕食前だったかしら、突然いらっしゃってびっくりしちゃったわ。」
夕食前……?
私が隼人の部屋にいた頃…
まさか…
あの有川様がお母さんに会ってくださった…?
私は信じられずに黙ったままお母さんを見つめた。
「何か……おっしゃってた?」
夜の仕事のこと。
三千万のこと。
もしかしたら有川様は話してしまったかも知れない…
「え?そうね…自己紹介と…
具合はどうかって事と何かあったらすぐ周りの方に言うようにって…。
それくらいだったかしら…忙しいからってすぐに帰ってしまったから」
「えっ…?」
お母さんの答えに私は拍子抜けした。
扉を開けると、静かに眠るお母さんがいる。
寝てる…か…
家にいたときよりはるかに楽そうなお母さんの顔に安心しながら、ベッドの脇に腰を下ろした。
少しだけずれた布団を直すと、お母さんが目をゆっくりと開けた。
「真希…」
「あっごめん…起こしちゃって…」
「ううん。大丈夫よ」
いつもと変わらない笑顔。
大好きなお母さんに私も微笑み返した。
「具合は?」
「うん…すっごくいいよ」
ゆっくりと身体を起こすのを支える。
「そう、良かった!」
私の言葉を聞いてお母さんがハッと思い出したような顔をした。
「どうかした…?」
不思議に思って首を傾げるとお母さんの目が少しだけ輝く。
「真希、有川さんって本当に素敵な人ね!」
「えっ…?」
一瞬耳を疑って聞き返すとお母さんは私の腕を軽く叩いた。
「あんまり素敵でお母さん、好きになっちゃいそうだったわ…」
「有川さ…んが来たの?」
クスクスと笑うお母さんに少しベッドに身を乗り出して聞き返した。
「ええ…あれ?聞いてないの?
昨日真希が部屋を出たあと…夕食前だったかしら、突然いらっしゃってびっくりしちゃったわ。」
夕食前……?
私が隼人の部屋にいた頃…
まさか…
あの有川様がお母さんに会ってくださった…?
私は信じられずに黙ったままお母さんを見つめた。
「何か……おっしゃってた?」
夜の仕事のこと。
三千万のこと。
もしかしたら有川様は話してしまったかも知れない…
「え?そうね…自己紹介と…
具合はどうかって事と何かあったらすぐ周りの方に言うようにって…。
それくらいだったかしら…忙しいからってすぐに帰ってしまったから」
「えっ…?」
お母さんの答えに私は拍子抜けした。