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近くて遠い
第15章 芽生え
「あのっ…私…」
寝ぼけた様子で真希が見つめた。
「眠ってた。」
「やっぱり……こんなしっかり布団に入っちゃって…全然記憶ないしっ」
と慌てる様子が少し面白くて、光瑠は自分が布団をかけてやったとは言わずに黙ってみていた。
「ありっ…ひっ、光瑠さんはいつからここに…?」
「…さっきだ。起こすつもりはなかった。悪かったな。」
しばらく返事がないので不審に思うと、真希は口を開けて固まっていた。
「…どうした…」
「あっ…やっ…、なんか、光瑠さんが、謝ってる…!と思って…」
目をそらしながらそう言った真希に、光瑠は片眉を上げた。
「今日は、色々なやつに驚かれた…」
メイドにも、酒田にも…
何だか腹立たしくなった光瑠は真希を睨み付けた。
「人を悪魔だとでも思ってるのか…?」
ビクッと身体を震わす真希に近付く。
「いっ、いや…あ、でも…」
「でも…?」
言い淀む真希の肩を掴んで光瑠は迫る。
「いつも、怒ってらっしゃるから…突然優しくなられてみんな、びっくりされてるんじゃ…?」
「………随分な言いようだな…怒るような事がなければ怒らない。当たり前だろ。」
優しいという言葉に何だかむず痒さを感じた光瑠は、真希を放して片手で頭を抱えた。
悪魔のように接しているつもりもなければ、優しく接しているつもりもないが…
どうも調子が狂っているのは確かだった。
「ふふっ」
そんな光瑠を見て、真希は小さな笑い声を出した。
「…!!」
その笑い声に反応して、光瑠は再び真希に近付いた。
「えっ…あっ、すみません!!」
あまりの迫力で迫る光瑠に真希は顔を青くして笑ったことを謝った。
「今、笑ったな」
「すみません…、別にバカにしたわけじゃなくて…」
「……もっと笑え…」
「え…?」
「お前は、笑った方がいい…」
見つめあう二人の心臓は大きく鳴っていた。
互いの息が唇にかかる…
寝ぼけた様子で真希が見つめた。
「眠ってた。」
「やっぱり……こんなしっかり布団に入っちゃって…全然記憶ないしっ」
と慌てる様子が少し面白くて、光瑠は自分が布団をかけてやったとは言わずに黙ってみていた。
「ありっ…ひっ、光瑠さんはいつからここに…?」
「…さっきだ。起こすつもりはなかった。悪かったな。」
しばらく返事がないので不審に思うと、真希は口を開けて固まっていた。
「…どうした…」
「あっ…やっ…、なんか、光瑠さんが、謝ってる…!と思って…」
目をそらしながらそう言った真希に、光瑠は片眉を上げた。
「今日は、色々なやつに驚かれた…」
メイドにも、酒田にも…
何だか腹立たしくなった光瑠は真希を睨み付けた。
「人を悪魔だとでも思ってるのか…?」
ビクッと身体を震わす真希に近付く。
「いっ、いや…あ、でも…」
「でも…?」
言い淀む真希の肩を掴んで光瑠は迫る。
「いつも、怒ってらっしゃるから…突然優しくなられてみんな、びっくりされてるんじゃ…?」
「………随分な言いようだな…怒るような事がなければ怒らない。当たり前だろ。」
優しいという言葉に何だかむず痒さを感じた光瑠は、真希を放して片手で頭を抱えた。
悪魔のように接しているつもりもなければ、優しく接しているつもりもないが…
どうも調子が狂っているのは確かだった。
「ふふっ」
そんな光瑠を見て、真希は小さな笑い声を出した。
「…!!」
その笑い声に反応して、光瑠は再び真希に近付いた。
「えっ…あっ、すみません!!」
あまりの迫力で迫る光瑠に真希は顔を青くして笑ったことを謝った。
「今、笑ったな」
「すみません…、別にバカにしたわけじゃなくて…」
「……もっと笑え…」
「え…?」
「お前は、笑った方がいい…」
見つめあう二人の心臓は大きく鳴っていた。
互いの息が唇にかかる…