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近くて遠い
第16章 朝食の味
「「「おはようございます」」」
皆が一斉にあいさつをしたのに合わせて私も慌てて会釈をした。
「うむ、おはよう。」
古畑さんは笑顔で全体を見回したあと、私を視界に捉えた。
「真希様、またこんなに早くから…
する必要ないと言っているじゃありませんか…」
困ったように眉を下げる古畑さんに私は微笑み返す。
「いえ、やりたいからやってるんです。と…言っても、ちょっと来るの遅かったみたいで、何も役にたててませんが…」
「古畑さん!ご主人様のお食事はもう出来てますが、お運びしてよろしいでしょうか…?」
私と古畑さんが話していると、脇から愛花ちゃんがそう言った。
「光瑠さんってこんなに早くに起きてるんですか!?」
びっくりして声をあげると、古畑さんは何か思い付いたかのように手をポンッと叩くと、そのあと意味有り気にニヤリとした。
「では真希様、この食事光瑠様のところへ運んでいただけますか?」
「え…?」
古畑さんは愛花ちゃんに目配せをすると、
愛花ちゃんは豪華な食事の乗ったワゴンを引いてきた。
「あっ、あの…」
「そういえば、フルーツもいくつかあったな、君、それも乗せて。」
古畑さんは調理台に乗ったブドウを指差した。
「しっ、しかし、ご主人様は…」
「あぁ~、構わん構わん。いいから乗せて。
ミネラル豊富なフルーツは、しっかり食べるべき…ですよね、真希様?」
古畑さんは何かを言いかけた愛花ちゃんを制すと、私に笑顔で尋ねた。
「え、えぇ……。」
よく分からずそう答えると、愛花ちゃんはワゴンにブドウを乗せて私に差し出した。
「真希様、一番最初にフルーツを光瑠様に食べさせてあげてください。」
古畑さんが私の肩を叩いてそう言った。
「えっ…どういうことですか?」
「ご主人様の習慣です。笑顔で『あ~ん』ってやらないと大層怒られますのでご注意を。」
笑顔で?!
あ~ん!?
あの人そんなこと毎日メイドさんに!?
ふざけているのかと思って古畑さんを見るが、至って真面目な顔をしていたので私は、渋々はいと返事をした。
「お一人で大丈夫でしょうか?」
と心配そうに愛花ちゃんが見る。
少しワゴンを引いてみるとそんなに重たくなかったので、私は大丈夫だよと返事をして光瑠さんの部屋に向かった。
皆が一斉にあいさつをしたのに合わせて私も慌てて会釈をした。
「うむ、おはよう。」
古畑さんは笑顔で全体を見回したあと、私を視界に捉えた。
「真希様、またこんなに早くから…
する必要ないと言っているじゃありませんか…」
困ったように眉を下げる古畑さんに私は微笑み返す。
「いえ、やりたいからやってるんです。と…言っても、ちょっと来るの遅かったみたいで、何も役にたててませんが…」
「古畑さん!ご主人様のお食事はもう出来てますが、お運びしてよろしいでしょうか…?」
私と古畑さんが話していると、脇から愛花ちゃんがそう言った。
「光瑠さんってこんなに早くに起きてるんですか!?」
びっくりして声をあげると、古畑さんは何か思い付いたかのように手をポンッと叩くと、そのあと意味有り気にニヤリとした。
「では真希様、この食事光瑠様のところへ運んでいただけますか?」
「え…?」
古畑さんは愛花ちゃんに目配せをすると、
愛花ちゃんは豪華な食事の乗ったワゴンを引いてきた。
「あっ、あの…」
「そういえば、フルーツもいくつかあったな、君、それも乗せて。」
古畑さんは調理台に乗ったブドウを指差した。
「しっ、しかし、ご主人様は…」
「あぁ~、構わん構わん。いいから乗せて。
ミネラル豊富なフルーツは、しっかり食べるべき…ですよね、真希様?」
古畑さんは何かを言いかけた愛花ちゃんを制すと、私に笑顔で尋ねた。
「え、えぇ……。」
よく分からずそう答えると、愛花ちゃんはワゴンにブドウを乗せて私に差し出した。
「真希様、一番最初にフルーツを光瑠様に食べさせてあげてください。」
古畑さんが私の肩を叩いてそう言った。
「えっ…どういうことですか?」
「ご主人様の習慣です。笑顔で『あ~ん』ってやらないと大層怒られますのでご注意を。」
笑顔で?!
あ~ん!?
あの人そんなこと毎日メイドさんに!?
ふざけているのかと思って古畑さんを見るが、至って真面目な顔をしていたので私は、渋々はいと返事をした。
「お一人で大丈夫でしょうか?」
と心配そうに愛花ちゃんが見る。
少しワゴンを引いてみるとそんなに重たくなかったので、私は大丈夫だよと返事をして光瑠さんの部屋に向かった。