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近くて遠い
第17章 偵察
「えっと…私は…」
なんて紹介すればいいんだろう…
そんなことを考えていたら、急に昨日、光瑠さんに婚約者にしてやってもいいというセリフを思い出してしまい、心臓が暴れだす…
「藤木真希だ。今日はこいつも同行する。」
光瑠さんはそれだけ彼に説明すると、私の腰に回していた手をより強めた。
「あっ……噂の…」
車に乗りながら彼は顔を明るくさせた。
噂?
私の??
まさかね…
「お供させていただきます。有川社長の臨時秘書の酒田です。」
彼はそう言って、にっこりしながら手を出して握手を促した。
「突然すみません…
藤木真希です、よろしくお願いします。」
光瑠さんの腕を片手で退けようと格闘しながら、私は手を差し出した。
「いたっ…!」
差し出した私の手を急に光瑠さんは、バシッと叩いた。
「余計な接触をするな。」
「へ?」
「余計な接触って…それはあんまりじゃないですか?」
と酒田はかわいらしい顔を歪ませた。
「いいから行くぞ」
光瑠さんのつれない態度に酒田さんは溜め息をつくと、前方に行って運転者に出発するように言った。
今日の光瑠さんの言動、行動は普段に拍車がかかって変だ…
私は横に座る光瑠さんを見上げた。
「光瑠さん、逃げたりしないので、この手を離してくださいっ!」
懸命に力を入れてそう懇願すると、光瑠さんはゆっくり顔を動かして私を見た。
無表情で全く考えていることが分からない上に、腕の力が強まって胸の下が圧迫されて苦しい…
光瑠さんは苦しむ私の耳元に口を近付けた。
「ちょっとっ…光瑠さん、苦しい…」
「酒田が来たとき心拍数が上がったな。なんだ、タイプか?あ?」
えっ…!
囁かれた言葉に反応する間もなく、光瑠さんは、腕の力を強めた。
「ぐっ…ぐる゛じい゛ーー!」
「どうなんだ」
なにこの人っ…
苦しくて返事できないしっ…
ていうか、心拍数上がっちゃったのは昨日の事思い出したからでっ…
なんて紹介すればいいんだろう…
そんなことを考えていたら、急に昨日、光瑠さんに婚約者にしてやってもいいというセリフを思い出してしまい、心臓が暴れだす…
「藤木真希だ。今日はこいつも同行する。」
光瑠さんはそれだけ彼に説明すると、私の腰に回していた手をより強めた。
「あっ……噂の…」
車に乗りながら彼は顔を明るくさせた。
噂?
私の??
まさかね…
「お供させていただきます。有川社長の臨時秘書の酒田です。」
彼はそう言って、にっこりしながら手を出して握手を促した。
「突然すみません…
藤木真希です、よろしくお願いします。」
光瑠さんの腕を片手で退けようと格闘しながら、私は手を差し出した。
「いたっ…!」
差し出した私の手を急に光瑠さんは、バシッと叩いた。
「余計な接触をするな。」
「へ?」
「余計な接触って…それはあんまりじゃないですか?」
と酒田はかわいらしい顔を歪ませた。
「いいから行くぞ」
光瑠さんのつれない態度に酒田さんは溜め息をつくと、前方に行って運転者に出発するように言った。
今日の光瑠さんの言動、行動は普段に拍車がかかって変だ…
私は横に座る光瑠さんを見上げた。
「光瑠さん、逃げたりしないので、この手を離してくださいっ!」
懸命に力を入れてそう懇願すると、光瑠さんはゆっくり顔を動かして私を見た。
無表情で全く考えていることが分からない上に、腕の力が強まって胸の下が圧迫されて苦しい…
光瑠さんは苦しむ私の耳元に口を近付けた。
「ちょっとっ…光瑠さん、苦しい…」
「酒田が来たとき心拍数が上がったな。なんだ、タイプか?あ?」
えっ…!
囁かれた言葉に反応する間もなく、光瑠さんは、腕の力を強めた。
「ぐっ…ぐる゛じい゛ーー!」
「どうなんだ」
なにこの人っ…
苦しくて返事できないしっ…
ていうか、心拍数上がっちゃったのは昨日の事思い出したからでっ…