この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
近くて遠い
第20章 探り合い
────────…
「光瑠さん…」
光瑠さんの瞳が怯えたように揺れていた。
辛そうに歪む、美しい顔──
「どこにも…
行かないでくれ……」
そう言って、光瑠さんは私を抱き締めた。
朝と同じ。
彼は怯えてる。
そして、不器用に、私を欲している…
「…………結婚しよう…」
その言葉に私は抱き締められながら目を見開いた。
──────真希の花嫁姿、見たいなぁ
そしてふと、お母さんの弱々しい言葉が頭をよぎる。
「………結婚しよう…」
黙った私をより強く抱き締めて震えた声で、光瑠さんが再び呟く。
光瑠さん…
私、とても不安なの…
でも…
「……はい…」
例え『愛してる』という言葉をあなたが発しなくても
そこには
愛があるはずだと
そう信じて、
私は返事をした。
「……本当か。」
身体を少しだけ離して光瑠さんが私を見下ろす。
私たちは出会いから普通と違う。
選択の余地なくお金で買われ、望んだ生活でもなかった。
不安で
怖くて
悲しくて…
希望の見えない日々に絶望して…
けど、たまに見せる光瑠さんの優しさに触れた今
私は、信じる事ができる…
いや、信じたい…
きっといつか、
「愛してる」って言ってくれると…
「光瑠さん…」
光瑠さんの瞳が怯えたように揺れていた。
辛そうに歪む、美しい顔──
「どこにも…
行かないでくれ……」
そう言って、光瑠さんは私を抱き締めた。
朝と同じ。
彼は怯えてる。
そして、不器用に、私を欲している…
「…………結婚しよう…」
その言葉に私は抱き締められながら目を見開いた。
──────真希の花嫁姿、見たいなぁ
そしてふと、お母さんの弱々しい言葉が頭をよぎる。
「………結婚しよう…」
黙った私をより強く抱き締めて震えた声で、光瑠さんが再び呟く。
光瑠さん…
私、とても不安なの…
でも…
「……はい…」
例え『愛してる』という言葉をあなたが発しなくても
そこには
愛があるはずだと
そう信じて、
私は返事をした。
「……本当か。」
身体を少しだけ離して光瑠さんが私を見下ろす。
私たちは出会いから普通と違う。
選択の余地なくお金で買われ、望んだ生活でもなかった。
不安で
怖くて
悲しくて…
希望の見えない日々に絶望して…
けど、たまに見せる光瑠さんの優しさに触れた今
私は、信じる事ができる…
いや、信じたい…
きっといつか、
「愛してる」って言ってくれると…