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近くて遠い
第23章 信頼関係
「……それはそうだが、」


言葉を詰まらせる光瑠の声が要の胸を突き刺した。



「申し訳ありません。少し取り乱しました。」



要はすぐに我に返って光瑠に頭を下げると、再び酒田の部屋に向かおうと歩き出した。



「おい、関根。」



そんな要を光瑠が再び呼び止める。


要は、はい、と返事をしながら声がした方を振り返った。



「……自分が役立たずだとか、用無しだとか、間違っても思うな。」



「……はい。」


見透かされている…そんな気持ちがした。



「お前は、その名の通り、この会社の要(かなめ)だ──」


光瑠の低い声が要の全身に透き通るようにして入ってくる。

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