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近くて遠い
第23章 信頼関係
────────…
私の洋服の裾を掴む隼人が、キラキラとした瞳を私に向けていた。
「ねぇ~!お庭行こう!きっとかなめもいるよ!」
庭で要さんと遭遇してから1週間が経った日。
再び休日がやってきて、要さんを気に入った隼人が庭に行こうとせがんでくる。
「…うん。」
そんな幼い弟のお願いを断ることも出来ずに、私と隼人は再び南の庭に向かった。
休日だというのに、有川商事は相変わらず忙しそうで、もちろん光瑠さんの帰宅も遅い。
あれから私は光瑠さんの寝室で眠っている。
たまに起きて待ってると、『待たなくていいから寝ろ』なんて少し怖い顔をして言って来るけど、寝るときは私に軽くキスをしてその大きな身体で私をしっかり包み込んでくれる。
大分疲れているみたいで、相変わらずすぐに眠ってしまうから、会話をする時間なんかないに等しい。
それでも全く会えないのに比べたら全然私は幸せだった。
そう。
私は本当に幸せ…。
光瑠さんは、決して愛は囁かないけれど、でも、そんなの気にならないくらい、穏やかな日々が続いてた。
だから、あまり要さんには会いたくない。
自分から、辛くなったらぜひ来て下さいなんて言ってしまったけど…。
そう──
"言ってしまった"のだ。
だから、会いたくない。
つい、ポロっと考えもせずに身体が動いてしまうことが多いから、自分が怖いのだ。
私の洋服の裾を掴む隼人が、キラキラとした瞳を私に向けていた。
「ねぇ~!お庭行こう!きっとかなめもいるよ!」
庭で要さんと遭遇してから1週間が経った日。
再び休日がやってきて、要さんを気に入った隼人が庭に行こうとせがんでくる。
「…うん。」
そんな幼い弟のお願いを断ることも出来ずに、私と隼人は再び南の庭に向かった。
休日だというのに、有川商事は相変わらず忙しそうで、もちろん光瑠さんの帰宅も遅い。
あれから私は光瑠さんの寝室で眠っている。
たまに起きて待ってると、『待たなくていいから寝ろ』なんて少し怖い顔をして言って来るけど、寝るときは私に軽くキスをしてその大きな身体で私をしっかり包み込んでくれる。
大分疲れているみたいで、相変わらずすぐに眠ってしまうから、会話をする時間なんかないに等しい。
それでも全く会えないのに比べたら全然私は幸せだった。
そう。
私は本当に幸せ…。
光瑠さんは、決して愛は囁かないけれど、でも、そんなの気にならないくらい、穏やかな日々が続いてた。
だから、あまり要さんには会いたくない。
自分から、辛くなったらぜひ来て下さいなんて言ってしまったけど…。
そう──
"言ってしまった"のだ。
だから、会いたくない。
つい、ポロっと考えもせずに身体が動いてしまうことが多いから、自分が怖いのだ。