この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
近くて遠い
第26章 糸の綻び
「真希さんっ!」


俯いて歩いていると、前から声が聞こえた。



「要さん……」


「関根様…」



ふと顔を上げると、隼人に手を引かれた要さんがいた。



「突然行ってしまわれたので何かあったのかと…
大丈夫ですかっ?」



やっとひいた涙がまた溢れてしまいそうになった。



「お姉ちゃんっ!」


そして隼人の存在に気付いて、泣いてはいけないとグッと堪える。



「……大丈夫です。すみません、何も言わずに。」



隼人にも、ごめんね、と言って頭を撫でた。


「………君。」



しばらく沈黙が続いた後、要さんが口を開いた。



「は、はい、わたくしでしょうか?」


愛花ちゃんが応える。


「そうだ。申し訳ないけど、隼人を部屋に連れて行ってくれるか?」


「え?」


要さんの言葉に愛花ちゃんが声を上げ、私も要さんを見つめた。


「えーどうしてー?」



「ちょっとお姉さんと話がしたいんだ。部屋でお利口に待っててくれるか?」


話……?

今、そんな余裕私には…


「ん~、分かった!」


隼人は要さんの優しい問い掛けに少し不満そうにしながら頷いた。


「で、ですが、関根様…」

「頼むよ。」


私の事を心配したのか、それを止めようとした愛花ちゃんの言葉を要さんが遮った。



「真希さん、よろしいですか。」



ずっと黙っていた私に要さんが強めの声で問い掛ける。



「…はい……」


そして私は勢いに飲まれて返事をしてしまった。
/518ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ