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近くて遠い
第30章 三つの想い
「お姉ちゃんは?僕といる?」
隼人はそう聞きながら、握る手の力を強くした。
私はゆっくり微笑んで、隼人に目線を合わせると、ギュッとその身体を抱き締めた。
「……当たり前でしょ?お姉ちゃんはずっと隼人と一緒だよ。」
「うん!」
抱き締めてるから、隼人には見えてないと思うと気が緩んで堪えていた涙がポロっと流れた。
私はそれをそっと拭うと、じゃあ…と声を出して外に出た。
「……関根様のっ…関根様の所に行かれるのですかっ…」
背後から、愛花ちゃんの声が聞こえる。
「ううん…」
要さんは自分のところに来るように言って下さった。
だけど…
「"うち"に帰るの…」
私は振り返ることなくそれだけ言って、隼人と歩き出した。
「真希様っ…!!」
みんなが泣きながら私を呼んでいる。
ありがとう…
みんな…
私、
とても幸せだった…。
でもね、
やっぱり私には、
あまりにも
出来すぎた幸せだったみたい…。
みんなの声を聞きながら、私は空を見上げた。
そこには
憎らしいほど晴れ渡った完璧な青空があった…
涙が滲んでも
分からないくらいほど
真っ青な空が──
隼人はそう聞きながら、握る手の力を強くした。
私はゆっくり微笑んで、隼人に目線を合わせると、ギュッとその身体を抱き締めた。
「……当たり前でしょ?お姉ちゃんはずっと隼人と一緒だよ。」
「うん!」
抱き締めてるから、隼人には見えてないと思うと気が緩んで堪えていた涙がポロっと流れた。
私はそれをそっと拭うと、じゃあ…と声を出して外に出た。
「……関根様のっ…関根様の所に行かれるのですかっ…」
背後から、愛花ちゃんの声が聞こえる。
「ううん…」
要さんは自分のところに来るように言って下さった。
だけど…
「"うち"に帰るの…」
私は振り返ることなくそれだけ言って、隼人と歩き出した。
「真希様っ…!!」
みんなが泣きながら私を呼んでいる。
ありがとう…
みんな…
私、
とても幸せだった…。
でもね、
やっぱり私には、
あまりにも
出来すぎた幸せだったみたい…。
みんなの声を聞きながら、私は空を見上げた。
そこには
憎らしいほど晴れ渡った完璧な青空があった…
涙が滲んでも
分からないくらいほど
真っ青な空が──