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不良の彼は 甘くて強引
第8章 S彼とお出掛け

「これから…どこに行くんですか?」
食事を済ませた柚子を
無表情で見つめる匠。
その気まずさについに堪えられなくなった彼女は口を開いた。
匠は水を一口飲むとナプキンで手に付いた油を拭き取る。
「服を買いに行く」
「服を?」
「……お前のだよ」
「わたしの!? でも、お金とか持って無いですし…」
「金はいらない、行くぞ」
匠は柚子の話を遮り席を立った。
───
その後連れてこられたのは、5階の服コーナー。さまざまな服の専門店が並んでいる。
「どの服が欲しい」
話の流れ的におそらくわたしに服を買ってくれるということだろうけれど…
そんな、食事を奢られるのとはわけが違う。
何度かいらないという旨を伝えるのだが彼はことごとく無視。
しかたなく、手直にあったロングスカートを手にとって見せてみると…
今後は舌打ちで返された。
「お前…ロングスカートしか履かない主義か?……長いスカートは脱がせにくい、禁止だ」
禁止命令きました──
でも短いスカートなんて着たことないし、着たくもないし…。
ぐずぐずしていたら痺れを切らした彼はわたしを店員に突き出した。
「こいつに一式そろえろ。長いスカートは禁止だ」
わたしはそのまま店員に連れ去られる。
.....
「お客様は~大変細身でいらっしゃいますから~、こんな服もお似合いになるかと思われます-!!」
不必要な敬語を連発しながら
コーディネートを任された店員は張り切っている。
苦笑いするしかない柚子。
似合いそうな服ををあらかた揃えると、試着室に突っ込まれた。

