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不良の彼は 甘くて強引
第8章 S彼とお出掛け




「もう帰ってもいいぞ」



意外だった。



どうせ、遅くまで付き合わされるのだろうと思っていたから。



「本当に?」

「ああ、ここからの帰り道は…わかるな?」

これで帰ったら、ただご飯をおごられて、洋服をプレゼントされただけだ。

それこそ彼の目的が全く見えない。

帰っていいというのならそれは有り難いけれど。



何故なら…



「どうせ、" 真面目な法学部生 " は大学を休んで買い物なんて落ち着かないんだろう」



正解です。


言い方が少し気に食わないけど…。


ズル休みなんて、小学生の時から一度だってしたことないもの。



「今日は帰れ」


匠はそう言って柚子の耳元に顔を近づけた。





「また、今度な…」



「……ゴクリ」



真新しい服を身にまとった柚子は軽く一礼し、逃げるように帰って行った。








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