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不良の彼は 甘くて強引
第9章 再会:出会い
「あの子のことが…、好きなの?」
「・・・・」
「……大事なの?」
「・・・・」
匠は答えない
何も言わぬまま、餌をやる老人とそれに群がる鳩を眺めていた。
その様子を見た紗織は、すくっとベンチから立ち上がった。
「じゃあ、まだわたしは負けてないということね」
「何を今更…」
「だってそうでしょう?……もう、わたしの初めてを奪ったのはあなたよ。ちゃんと責任は感じなさいよ」
「そんな女、……星の数ほどいる」
「…最低ー」
「黙れ」
匠も立ち上がり
紗織をおいて来た道を戻った。
「また会いにくるかも」
背後から紗織が叫んだ。
「・・・・」
「返事がないってことはOKね!?」
しかし匠は振り返らない
「…勝手にしろ」
ベンチの前で立ち尽くす紗織を残して匠は公園をあとにした。