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不良の彼は 甘くて強引
第9章 再会:出会い
“あの時、彼が現れなかったら…”
沼田が去った後、部屋に残されたわたし
もし、彼が現れなかったら
“死んでいたかもしれない”
傍らにナイフでも置かれていようものなら、わたしは死を選んでいたかもしれない。
勿論、今になったからこそ後付けでそう思うだけで実際に自殺をしていたのかはわからない。
彼女は自殺を軽んじているわけではなかった。
どんなに絶望的なことがあったとしても、自らを殺すようなことはあってはいけない。
それが彼女の持論だ。
しかし実際は
彼が現れ、わたしを担ぎ…
家に連れ込まれ
また強引に抱かれた。
起きたと思ったら買い物に出掛け、何の目的があるのかもわからぬままに
わたしは常に彼の言動にびくついて…
絶望する時間なんて、与えられなかったのだ。
彼の意図はとことんわからない──
やっていることは、ほとんど沼田と一緒。
でも
結果的に、わたしは救われたのではないか──
そんな風に感じる。
昨日の汚された服を捨てて、こうして新しいものをわたしに与えた。
これは彼なりの優しさ?
そんな風に、感じる。