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不良の彼は 甘くて強引
第9章 再会:出会い
電車が駅に止まり、大勢の人間が入ってきて車内はまた少し混んだ。
柚子はフルフルと首を振る。
“何考えてるの、わたし…そもそもわたしを強引に辱めたのは彼も同じじゃない!”
本当に優しさがある人はレイプなんてしないのよっ
──正論だ。
一旦、匠のことを考えるのはやめる。
“今日大学さぼった分、帰ったら勉強しないとね”
彼女は窓ごしに見える春の空に柔らかな眼差しを向けた。
その時…
「……?」
お尻に何か…
鞄か何かがあたっているのかもしれないと思ったが、そうでは無いことはすぐにわかった。
その感触は明らかに人の手だった。
痴漢……!!
今の彼女の服装はミニスカート
そして今日、彼女はマスクを付けていない…。
美しく若い女がドア付近の隅で突っ立っている。
おまけに彼女は見るからに大人しそうな外見。
いい、標的だ。