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不良の彼は 甘くて強引
第10章 本心

家に着いた柚子は鞄を置き
先ずは手洗いうがい。

そして風呂の用意をすませておいて、夕食。

メニューは作り置きのカレーと野菜スープ

少し物足りないが、バイトのある日は仕方がない。


そしてクローゼットを開けて上着をハンガーに掛けた。





「・・・・」



たった今収めた上着の横にはブラウンのニットが掛けられていた。


柚子はそれを手に取る。


その陰に隠れるようにして吊されていたのは白のフレアースカート

彼女はそれらをじっと眺めた。


あの時は恥ずかしくて
まともに服を見れなかったけど


この服のデザイン


「…嫌いじゃない」



薄手のニットは涼しげで色合いも派手ではなく

キャミソールと合わせたさらりとした着方は、いつもがっつり着こむ彼女にとってちょっとした憧れでもあった。



「明日…着ていこうかな」


思えばあれ以来一度も着ていない

夏になれば着られなくなるし…


せっかく買って貰ったんだ
着させてもらおう。



柚子は手にしたニットをクローゼットに戻した。




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