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不良の彼は 甘くて強引
第10章 本心








ガタン...ゴトン...





朝の通勤ラッシュ



白スカートを手でおさえ、そわそわした様子の女性が一人。


電車が駅に到着
流れる人混み

その流れに身をまかせるように電車から弾き出される。


しばらくの間固まったままの人混みがエスカレーターの下でばらけ始める。


そこには先程の女性の姿が。




「…よっし」


心なしかガッツポーズでもしたような──

スカートをおさえた手を離し彼女は大学へ向かって行った。






柚子が大学に入ると、案の定驚いた友人たちが駆け寄ってきた。

「あっれー、柚子、今日の服装いつもと違う…」

「可愛い~!!」

取り敢えず服装を誉めるのは女子の常套手段

それをわかってはいても
それでもやはり嬉しい。


「柚子そんな服も似合うんだね。なかなか良いよ」

「ほんま!柚子ちゃんの雰囲気に合っとるよ」


美佳と奈々も、同様に彼女の服装を良いと言った。



“似合ってるんだ、これ”


柚子は自らの格好を改めて眺めてみる。

緩めのニットのため
肩のあたりが少し心細い。

膝が出てるのもやはり落ち着かない。




でも、似合ってるんだ…


ふふっ



わたしは何だか照れ臭い気持ちになった。





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