この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第10章 本心

ガタン...ゴトン...
朝の通勤ラッシュ
白スカートを手でおさえ、そわそわした様子の女性が一人。
電車が駅に到着
流れる人混み
その流れに身をまかせるように電車から弾き出される。
しばらくの間固まったままの人混みがエスカレーターの下でばらけ始める。
そこには先程の女性の姿が。
「…よっし」
心なしかガッツポーズでもしたような──
スカートをおさえた手を離し彼女は大学へ向かって行った。
柚子が大学に入ると、案の定驚いた友人たちが駆け寄ってきた。
「あっれー、柚子、今日の服装いつもと違う…」
「可愛い~!!」
取り敢えず服装を誉めるのは女子の常套手段
それをわかってはいても
それでもやはり嬉しい。
「柚子そんな服も似合うんだね。なかなか良いよ」
「ほんま!柚子ちゃんの雰囲気に合っとるよ」
美佳と奈々も、同様に彼女の服装を良いと言った。
“似合ってるんだ、これ”
柚子は自らの格好を改めて眺めてみる。
緩めのニットのため
肩のあたりが少し心細い。
膝が出てるのもやはり落ち着かない。
でも、似合ってるんだ…
ふふっ
わたしは何だか照れ臭い気持ちになった。

