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不良の彼は 甘くて強引
第11章 ベンチ
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ガヤ ガヤ ガヤ...
「・・・・」
たるい講義も終わり俺は帰り支度を始める。
一・二年次まで教養課程が続き、三年次から漸くの専門課程に移るのがこの大学の特徴だ。
四年になってようやく解剖実習が始まる。
面倒くさいカリキュラムだが付き合ってやらないと単位がとれないから仕方ない。
「…もうあいつは帰ったか」
今から法学科に行ってもおそらくいないだろう。
「──…」
匠は先日の柚子の言葉を思い出す。
俺を許せないだと…
馬鹿馬鹿しい。
俺がいつお前に許しを請うたというんだ。
挙げ句の果てにバイトに行かせてくれとは…
俺を舐めてるのか、あいつは。
校舎から出て駐車場へ向かう匠。
だが
そこに待ち構えていたのはさらに彼を苛立たせる人物だった。