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不良の彼は 甘くて強引
第11章 ベンチ
「・・・・」
「こんばんは、匠」
こんな所で待ち伏せするとはなんて女だ。
「……何故大学にいる」
溜め息混じりにバイクを引っ張り出す。
「本当は柚子ちゃんに会いに来たのよ。ただ、あなたに教えておきたいことがあって…」
「必要ない」
紗織の話に匠は耳をかさない。
「全然会いに行ってないんじゃないの?」
バイクに跨る匠に、背後から問いかける。
「忙しいのはわかるけど…ちゃんと顔出してあげないと、別の男にとられるわよ」
「……」
匠の動きが止まった。
「……どういう意味だ?」
ほら、食いついた。
「なかなかのイケメンよ、優しそうだし」
「余計な事はいい、誰だそいつは」
「…さぁ、自分で聞いてみたら?学部前の広場…ベンチにいつも二人で座ってるわ」
「…!」