この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第11章 ベンチ
この女…いったいどういうつもりだ
俺を試しているのか?
煮え切らない紗織の態度に
匠の無表情に限界が訪れそうだ。
「・・・・」
しかし匠は無言でバイクのエンジンを入れ直し、そのまま走り去った。
「わかりやすいわね」
紗織の目は、匠の僅かな動揺を見逃さなかった。
女は何でも自分の思い通りになるなんて勘違いしないことね。
いくら強引に抱こうと、愛情がなければ女は離れていくものよ…。
「せいぜい苦しめばいいわ」
そう言って遠のく匠の後ろ姿を見つめる紗織。
一瞬だけ
切なげな表情を浮かべた──。