この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第11章 ベンチ
「えッ…え!?」
驚いた柚子は周りをキョロキョロと見回した後
目の前の男の存在に気付く。
「た、匠さん…!?」
いきなりのこの距離感は、寝起きの柚子には刺激的すぎる。
「なんで…っ」
「寝ていていいのか?勉強中だろう」
そう言って匠は柚子の横に座った。
“え…どうすればいいの、この状況……”
あたふたする柚子をよそに
匠は平然と彼女の手の上のノートを眺めていた。
状況を飲み込めないままに柚子は勉強を再開する。
が
全然集中できない…!!!
ホットドック屋にいった時もそうだったけど、なんでこの人はこう、無遠慮に人をガン見するのよ…!!
勉強どころではなかった。
その時柚子は、自分の鼓動がどんどん激しくなるのを感じた。
“え…?”
これ、緊張してるの…?
それとも、怖がってるの?
柚子には早まる鼓動の真意がわからない。