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不良の彼は 甘くて強引
第11章 ベンチ

「えッ…え!?」

驚いた柚子は周りをキョロキョロと見回した後

目の前の男の存在に気付く。


「た、匠さん…!?」


いきなりのこの距離感は、寝起きの柚子には刺激的すぎる。


「なんで…っ」

「寝ていていいのか?勉強中だろう」


そう言って匠は柚子の横に座った。



“え…どうすればいいの、この状況……”


あたふたする柚子をよそに
匠は平然と彼女の手の上のノートを眺めていた。


状況を飲み込めないままに柚子は勉強を再開する。





全然集中できない…!!!


ホットドック屋にいった時もそうだったけど、なんでこの人はこう、無遠慮に人をガン見するのよ…!!


勉強どころではなかった。




その時柚子は、自分の鼓動がどんどん激しくなるのを感じた。


“え…?”

これ、緊張してるの…?

それとも、怖がってるの?


柚子には早まる鼓動の真意がわからない。




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