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不良の彼は 甘くて強引
第12章 浴衣祭り
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「なんでよー!!市ノ瀬先輩を誘いなさいよ!」
突然の大声に、周りの人間が一斉にこちらを見る。
な、何て大きな声を出すんだ美佳ちゃん!!
「シーー!! 声抑えてよ!!」
「市ノ瀬先輩はあっちから誘うような人じゃないでしょう?だから柚子が誘うの!」
友人と行くと言い張る柚子に
美佳は納得しない。
「だから…!」
匠とはそういう関係ではない
柚子はそう言いたかったが、こう何度も肌を重ねてしまった今となってはそれはそれで自分勝手な気がしていた。
あの日の自分はどうかしていた。
誰が来るともわからぬ
こともあろうに大学内で…
彼の愛撫に感じてしまいろくに抵抗もできなかったなんて。
……自己嫌悪。
「もうっ…ちょっと来て」
「へっ?どこ…」
美佳は柚子の手をとり歩きだした。
“ホント…まるで中学生でも相手にしてる気分”
柚子のあまりの奥手っぷりに美佳のアネキ気質に火がついてしまう。
彼女は柚子を医学科の方へ引っ張っていった。