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不良の彼は 甘くて強引
第12章 浴衣祭り
「ハァ、ハァ、ハァ……!!」
ああ、怖かった……!!!
医学科を出て一度立ち止まり
息を切らした柚子は法学科の方へ歩き出す。
「もう!信じられない…」
信じられないとは、自分自身のことだ。
なんでよりによって匠さんを誘わないといけないの。どう考えたってお祭りなんてガラじゃないじゃない…。
「・・・・」
それに──
こういうのは
好きな人とこそ 行くものよ。
確かに彼とは何度か関係を持ってしまった。
「でも彼氏ではないわ…!」
身体から始まる関係?
そういうの、わたしが一番嫌いなこと。
しかも相手は女性を玩具のように扱う、わたしが一番軽蔑する人。
冷静に、ならなければ…。