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不良の彼は 甘くて強引
第12章 浴衣祭り
浴衣祭りまで
いよいよあとあと一日
祭りの前日ということで、キャンパス内には早くも屋台が組み立てられ始めているところもあった。
「すごい、大がかりなのね…」
講義がもうすぐ始まろうとしている朝、友人たちの話を聞きながら、柚子は思わずそうこぼす。
屋台の数もさることながら、何でも花火まであげちゃうみたい。
国立大学のどこにそんなお金が…
研究費にでもまわせばいいのに。
「じゃ、柚子ちゃん、わたしたちはバス停の前に7時に集合にしたけん」
「7時ね、了解」
友人との待ち合わせはバッチリ。
“7時ってことは、駅にはもう少し早くに着いておくべきだから…”
家を出る時間を逆算する柚子。
ガラッ
その時、ドアが開き
教授かと思えば……
入ってきたのは匠だった。
「──…ん!?」
友人と話をしていた柚子は反射的に立ち上がる。
匠は真っすぐ彼女のもとへ来る。
「お前……」
今朝の彼もピリピリモード。
「この前、浴衣祭りにこの俺を誘ったよな」
「ごめんなさいッ!!」
なぜか謝るわたし。