この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第14章 そこを動くな
「──…!」
匠は無言で柚子の顎を離した。
柚子は唇を噛み締め、俯き気味にそっぽを向いた。
自分が言った言葉に早くも後悔し始めている様子。
その柚子の姿に…匠は
「カワイイ」と、そう感じた。
こんな言葉が浮かぶのはいつぶりになるのだろうか…。
「…呆気ない…、もう勝負は終わりのようだな?」
「勝負…」
「俺を許すのか?──この俺を認めていいのか」
匠の身体が密着し、その顔が柚子を覗き込む。
「言っておくが…、一度手に入れた女に俺は容赦などしないぞ」
今までのどの辺りに容赦があったのだろうか…。
「そ、それは…、…──!!」
柚子が何か言いかけた時
突然部屋の明かりがついた。
「…っ…!!」
前方の扉から教授が入って来る。何か忘れ物でもしたようだった。
二人のいる所は席の陰で教授からは見えない。
こんなところ、見つかったら大変だ──
そう思い小さく縮こまった柚子。
だが、あろうことか
匠は彼女の顎を再び捕らえると
むりやり唇を重ねてきた。