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不良の彼は 甘くて強引
第15章 実家
「紗織さん…」
レジで会計をすませる彼女に、柚子は意を決して聞いてみることに。
「紗織さんは匠さんのことが…?」
「──…」
「いえ、すみません…」
上手い聞き方がわからない。
店員から水着を受けとった紗織がこちらを向く。
「ホント、未練たらしいわよね」
「そ、そんなこと…!」
「でも良かったわ。今までは…匠をふった自分を後悔してたけど、こうして、むこうにふられ返されたらね…」
「……」
「スッキリするってもんよ、…もう、アメリカいったら新しい恋しまくってやるわ!男なんて選り取り見取りだし」
そう言って豪快な笑みを見せた紗織は、買い物袋を柚子に突き出した。
「…後は任せたわ」
まるで戦い前の仲間を激励するかのような…。
柚子はその袋を受けとった。
「…じゃあね」
柚子の頭をポンポンと叩き、くるりと向きを変え去って行く。
紗織から、品のよい香水がフワッと薫った。
「あの人、知り合い?カッコイい女(ヒト)ね」
いつの間にか横にいた美佳が彼女を見ながら柚子に話し掛けた。
「うん…」
本当に、格好いい…
それでいて、美しい
「──…羨ましいや」
素敵な女性だ。