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不良の彼は 甘くて強引
第15章 実家
その後、美佳ちゃんと洋服も買いに行った。
海に行くんだからもっと涼しげな服がいると言われて…彼女に見立てて貰ったのだ。
「じゃあ、しばらく」
「うん、良い夏を」
買うものも買ったし
わたしは安心して
実家に帰る日をむかえた。
────…
プシュー---…
新幹線のドアが開き、軽い足取りで降りてきた女性が一人。
他に降りたのは5、6人の乗客。
──要するに、少ないってこと。
「まぁ、田舎ですから…」
駅を出て、殆ど通る車のない幅広い道路を渡る。
少し離れると、ぽつぽつと家が建ち並びそして田んぼの中の一本道。
時折すれ違う車。
ミーン ミンミン ミ~ン
日陰も何もないこの道は暑くて仕方ないが、用水路のある所までくるとそこからは蝉の声に負けない、涼しげな水音が聞こえてきた。
この県は夏蜜柑が特産なのでガードレールは昔から黄色だ。
30分ほど歩くと、家の数も少し増えて小さな公園が見えてきた。
わたしの家は公園のすぐ近く。
「ふぅ…」
砂利の敷き詰められた玄関。
ガララッ
「ただいま!」