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不良の彼は 甘くて強引
第15章 実家
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バシャッ…--
母の背に湯をかける。
久しぶりに、柚子は母の背中を流してあげることにした。
ボディーソープを泡立ててタオルでごしごしこする。
開いた窓からは、どこか遠くで鳴いている蛙たちの声が涼しげな風とともに風呂場に吹き込んでいた。
「…好きな人でもできたの」
唐突な問いかけにタオルを動かす手が止まる。
「どうして…?」
「ちょっと、綺麗になったからね」
「ホントに~?」
母のくすぐったい言葉に、柚子は照れ笑いを浮かべた。
「で、都会の男はどうなの?彼氏はどんな人なの?」
母は照れる彼女をいじり始める。
「んーとね…、少し怖いんだけど、時々優しいの」
(ものすごく怖いんだけど、たま~に、優しいこともあるの)
「まぁ!ツンデレじゃない!」
「もう!! どこで覚えたのよその言葉」
大盛り上がりの母娘の恋愛話は静かな夜の田舎に響き渡った。
近所の人にまる聞こえだ。
勿論、父にも──
「…グスッ」
この後父は
風呂上がりの女たちに、赤くなった目を心配されることになる──。