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不良の彼は 甘くて強引
第16章 海
「──…」
「…、…っ……ケホッ…」
ようやく唇が離されたと同時に柚子は弱々しく咳き込んだ。
匠は水着から指を抜き
彼女の動きを堅く封じ込めていた腕の力を抜く。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
絶頂に達して脱力しきった柚子は匠の腕の中で向きを変え
おもむろに
彼の首に抱きついていた。
「……!?」
「…ケホッ、……ハァ…ハァ…ハァ…」
驚いて目を丸くする匠をよそに、意識もうろうとした彼女はその頭を彼の肩にあずけて呼吸を整える。
ずり落ちそうになるその身体をさり気なく匠の腕が支えていた。
華奢な身体でしがみつき
その腕が首に巻きついてくる。
少々息苦しい…。
「…おい、あまり首にへばりつくな…息苦しい」
彼女の方から抱きつかれて、匠は少し面白くなさ気な顔をしている。
「…っ……ハァ…、わたしは…もっと苦しかった…ッ…、…ケホッ!…ケホッ」
「……ぐッ」
仕返しとばかりに首が圧迫され匠の顔が苦しげに歪んだ。
柚子は目を固く閉じ、相変わらず肩で大きく息をしている。
遊びすぎたか──
それにしても
息ができん……!!