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不良の彼は 甘くて強引
第16章 海
「……?」
背後、遠くから聞こえる下品な笑い声に
柚子はいぶかしげに振り返った。
気づけば人影はほとんど無くなっているようだ。
残った人たちも、その柄の悪い集団を見て慌てて避けていった。
集団といっても人数は…4人。
海岸に近づいてくる…
嫌な予感。
「……」
柚子はそちらを見ないように顔を伏せた。
同い年くらいだろうか…
そんな男たちの会話が聞こえてくる。
「おい、やっぱり…」
「ああ」
「あいつじゃねぇ?」
悪い予感が的中しそうだ。
「…間違いねぇ」
「──…市ノ瀬だな」
……的中
柚子は冷や汗をかいていた。
どうみても穏やかな状況ではなかった。
その時、男たちの声が此方へ向けられたのを感じる。
「あの女だろ」
「ちょうどいい……!!」
「…!!」
俯いたまま、柚子の顔が青ざめる。