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不良の彼は 甘くて強引
第16章 海
「黙れ──!」
その語尾が強まる。
柚子は、横の男が僅かに怯んだのを感じ取った。
周りの空気が変わる。
始まってしまう…!
柚子はその雰囲気に身を縮ませた。
そして
何を合図にしたのか
怒鳴り声もないままに
男たちが匠に殴りかかった──
「やめてーーッ!!!!」
柚子の悲鳴に男たちは耳をかさない。
一人の拳が匠の顔に命中する。
「た…! 匠さん!!!」
駆け寄ろうとした柚子の腕を男が引き戻した。
「……離して!!」
「お前は黙って見とけ!…後でたっぷり可愛がってやるからな!!」
「──…!!」
腕を振り切ろうと何度も抵抗するが男の力にはかなわない。
すぐに引き戻される。
こんな時は……!!
柚子は冷静に考える。
引いてダメなら
…押すのよ!!!