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不良の彼は 甘くて強引
第18章 因縁
「…そういえば、健吾たちの事は何か知ってるか」
「健吾?」
一瞬止まった修一は、すぐに思い出した。
「ああ、あいつらか…、何だよ急に」
「会ったんだよ、海で」
「はぁ!? あいつらそんなとこにまで出没してんのか、……よく、何もなかったな」
「何もないわけないだろう、顔面を思い切り殴られたさ」
「……!」
それを聞いた修一は皮肉気に笑った。
「そりゃあ…、あいつらの方が心配だな。ちゃんと生きてんだろうな健吾は…」
匠は溜め息をつく。
「邪魔が入ったからな」
洗面所に行き、歯を磨き始めた匠。
彼は今更後悔していた
中途半端に止めたことを。
向こうの居場所は正確にわからないが、奴らには大学の事を知られている……
俺の家など真面目に探せばすぐ見つかるだろう。
情報の偏りは危険だ。
相手が後先を考えない馬鹿ならば、何をしでかすかわからないというものだ。
“それに今回は柚子が絡んでいる…”
もし奴らが柚子の情報を掴んだら、放っておくとは考えにくい。
やはりあの時、俺への恐怖をもっと植え付けておく必要があったな…。
“面倒なことになった”