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不良の彼は 甘くて強引
第18章 因縁
「そうか…あいつらまだお前に拘ってんのか」
洗面所まで聞こえる声で修一が呟く。
その声は
もう笑ってはいなかった。
「ま、当たり前か」
歯を磨く匠は黙ってそれを聞いている。
「誰よりも、お前のことを信頼してたからな……、あいつらは」
「……」
「仲間だと信じてきた奴が、実は違う世界の人間だったってことに、ある日突然気づいたんだ。」
「……」
「相当、悔しかったろうな」
「…」
匠は口の中のものを吐き出して軽く水でゆすいだ。
「俺には仲間なんていない、……第一、低いレベルでみんな仲良く足並みそろえる関係なんか…、お断りだ」
吐き捨てるように言った。
あんな連中の逆恨みほど腹立たしいものはない。
そんな妬み...
俺には関係ない。
「わーかってるよ!!」
匠の苛つきを感知した修一はいつものおどけた調子に戻る。
「……、お前も俺を妬むのか」
「どうだろうなー。俺は学門なんか興味ねぇし、医者になる気もねぇ」
「…ふん」
修一の返答を、匠は鼻で笑う。
なる気以前になれるわけないだろう……
そう言おうとした口はひとりでに止まっていた。
ここで唐突に、修一はあることを思い出した。
「…ああ、そういえば、…あいつらの一人が捕まったって聞いたことがあるな。」
「……捕まった?…何をしたんだ」
「レイプだと」
その言葉に、顔を洗う匠の手が一瞬止まる。
「馬鹿だよなー……気持ちよくしてやったら、どんな女でも通報なんかしねぇのによ」
「・・・・」
.....
その通りだ。