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不良の彼は 甘くて強引
第18章 因縁
修一は荷物を担ぎ、靴を履きながら背中越しに話しかける。
「貧乏人はバイトやら仕事やらで忙しいんだよ。…ってことで、今晩もよろしくな!」
「断る、…それに、あいつは貧乏人じゃない。親は弁護士だと言っていた」
「……!!」
ドアを開きかけた修一は、後ろを振り返る。
「弁護士なのか…!」
「…何だよ」
「ならあの女も法学科か」
「そうだ、……ハッ、俺があいつに裁かれるとでも思ってるのか」
冗談はやめろ
匠は馬鹿にして笑った。
「そうじゃなくて…、お前はもう平気なのか」
「・・・」
「いや、それならいいんだ。……じゃあな」
...バタン
閉められた扉
「……」
《お前は平気なのか》
「…ふっ」
柚子には関係ない…
俺も、いつまでも拘るような人間ではない。
「今度こそ…、あいつは俺のものだ」
紗織の時のように逃しはしない…。
残された匠は、自らも大学への準備を始めた。